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Old Chairman's Blog 前理事長のブログ

男の居場所 投稿日:2014年12月18日

山を越えたという宣告(18)

本人に、山を越えて下り坂にさしかかったよというシグナルが伝えられるのは、役職定年だ。ある一定の年齢(45歳とか50歳)になると強制的に役職を離れる制度で、本人にとっては宣告だ。

ほとんどの企業が能力主義人事を取っていながら、能力に関係なく役職を剥奪するのはおかしなことだが、そのおかしなことが日本の大企業にまかり通っているのだ。

役員になった人以外にはほぼ例外なくこの制度が適応される。

企業によって違いがあるが、部付とか調査役などといった肩書きが与えられる。

そして、ラインから外れることになる。

男の居場所 投稿日:2014年12月17日

結局いままで通り!(17)

人はどんなことにも適応できる。

会社の中で、先が見えてきたとき一時的には悩むが、自分には新しい道に踏み出すだけの勇気も才能も無いと悟って、そのまま会社に留まる決心をする。

しかし、そのときには、それまで山を登ってきたときのような情熱もエネルギーもない。顔から生気が消え、周囲から見ても昔の華やいだ雰囲気は漂ってこない。競争から降りた人間の生活の知恵として省エネを決めてかかることになる。それが新しく被る仮面だ。

しかし定年までの時間は長い。永遠に続くように感じられる時間だ。

男の居場所 投稿日:2014年12月12日

仮面を被る(16)

自分が出世競争に敗れたと自覚することはつらいことだ。

それはその人にとって大きな挫折経験になる。

会社に留まる限り癒されることなく心の傷として残る。

それまでは、どちらかというと順風にのってきたものが、一挙に逆風が吹いてくるように感じるのだ。

周囲から“あの人は競争に負けた”といううわさが聞こえてくると、いっそうその“寒さ”が身にしみてくるが、そこは我慢を決め込んで知らん顔をする術も身についてくる。

いわば仮面を被ることになるのだ。

男の居場所 投稿日:2014年12月11日

あきらめる(15)

そのときに人は悩む。

“このまま会社にいても決してうだつがあがらないだろう。

それでいいのか?転職をしたら”という考えが頭をよぎる。

しかし、転職してもそれまで身に着けた知識やスキルを活かしていけるだけの自信はない。どうしたものか、と悶々と悩むことになる。

そして、多くの場合は今までの道を選ぶことになる。

選ぶと言うよりは他の道を選ばないという決断をするのだ。

そして決してハッピーではないが、仕方がないと諦めてしまう。

男の居場所 投稿日:2014年12月10日

こんなはずではなかった!(14)

下り坂の風景をもっと具体的に見ることにしよう。

40歳を超えてくると、会社や社会における自分の立場が見えてくる。

同期入社で選抜される人とそうでない人が分かれてくる。

ほとんどの人は“そうでない人”の分類に入る。

そして、“なんであいつが昇進して自分は取り残されるのか”と怒りのような感情がこみ上げてくる。しかし、それを誰にも話せないし、そっと自分の胸にしまっておくしかないのだ。

そして、何食わぬ顔をして残りの会社生活を送らねばならないことを悟るのだ。

男の居場所 投稿日:2014年12月9日

下り坂で見える風景(13)

下り坂にさしかかって来ると、見える風景も変わってくる。

上り坂のときは、周囲の風景を見る余裕もなくただひたすら頂上を目指して登っていった。視界に入るのは、登っていく道中の近景だけであった。

しかし下りに入ると、足元の近景だけでなく遠景も見えるようになってくる。

そして、変化していく風景を楽しむ余裕がもてるようになる。

しかし、下り坂では、登るときほどエネルギーは使わないのだが、登るときに体力を消耗したものだから、疲れを残したまま下ることになる。

そして、登っているときに感じたワクワク感はもうない。

男の居場所 投稿日:2014年12月8日

下り坂(12)

しかし、それ(ピーク)もつかの間のことだ。

そのうち(近い将来)手に入る、と思っていた“輝かしい将来“は、だんだん遠ざかっていくだけでなく、体力のほうはどんどん衰えていく。

自分が下り坂にさしかかっていることを認めることはつらいことだ。

それが見えてくると、今度は「定年までなんとか勤められればよい」と思うようになる。そのときにはもう下り坂の中途に差しかかっているのだ。

真上にあった太陽は西に傾きかけ、上り坂のときには自分の後ろに見えた影は、自分の前に見えるようになる。

男の居場所 投稿日:2014年12月5日

人生の正午(11)

ユングは、人生の折り返し点を40歳とし、人生の正午という言い方をした。

太陽は真上に輝き、自分の影も映らない。人生で一番輝いているときだ。

しかし、それを実感できることはまずないだろう。

なぜなら、体力のほうは40歳になるまでにピークを過ぎるが、仕事を通じての会社内での地位や社会的立場はその後も上がり続けるから、ピークはもっと後にくると思ってしまうからだ。

つまり、肉体的には“もう若くない”と感じても、精神的には“まだ老いていない、これからだ”と将来に対して楽観的になることができるのだ。

男の居場所 投稿日:2014年12月4日

頂上の風景(10)

上り坂のときは、人生はバラ色に見えた。

努力次第で、もっと良い未来が拓けると素直に感じることができた。

今よりももっと良い未来が待っていると。

頂上に達したときに見える風景を期待しながら山を登ってきた。

きっと360度パノラマに違いない。

しかし、登りきったと思われるところに着いても必ずしもバラ色には見えない。

むしろ後になってそこが頂上だったと気づくのではないか。

しかもそこに留まれる期間はそう長くは続かないものだ。

やがて下山の時期に入る。

体力はだんだん衰えてきて、無理がきかなくなってくる。

すべてのものが以前のように生き生きとは見えない。

男の居場所 投稿日:2014年11月28日

上り坂(9)

誰も期待してくれないとしたら、自分で期待するしかないのだ。

しかし、自分の何に期待すればよいのか。

自分の人生に期待するとして何があるのだろう。

それにつけ思い出すのは、上り坂、下り坂という表現だ。

平均的に考えると、誰にも上り坂と言えるときがあっただろう。

45歳ぐらいまでは疲れ知らずに仕事に打ち込んできた。遊びもやった。

時間をもて遊ぶということは決してなかった。

いくら時間があっても足りなかった。

上り坂を登っているともっと先に頂上があると錯覚するが、案外胸突き八丁のところに頂上があるのかも知れない。

そのとき一番エネルギーを使ったはずだ。