インタビュー 公開日:2010年7月5日(月)
古瀬博義 理事(掲載当時)
【紹介】
古瀬博義
中小企業診断士、建設業経理事務士1級、第1種情報処理技術者、ネットワークスペシャリストなどの資格を持ち、それを生かしてNPO法人ソフトパークの理事や、オフィスF21代表取締役も務める。
また、東京商工会議所、横浜商工会議所、東京中小企業家同友会会員でもある。
NPOソフトパークとの出会い
・・・目標を設定し、自らの限界を超えることで、職員も施設も変わっていった。
私は今ソフトパークで特に介護施設向けのセミナーを実施しているのですが、始めるきっかけは昨年、介護職員処遇改善交付金が創設されて、交付金が支給されるようになったことです。この事務手続きを見ていたときに、平成21年の春に賃金のアップを行っている施設についてはこの交付金を活用をすることで、人件費予算の使い方に余裕が出ることを見いだせました。その方法論を介護施設の皆様にお伝えしたくて、NPOを通じての交付金セミナーをスタートさせました。
それまでも介護施設を含めた賃金制度を中心としたコンサルティングを行っていました。
賃金制度のコンサルティングを始めたのは平成14-15年あたりです。このコンサルティング会社に入社した理由のひとつに、この頃、現在のAMM(アドベンチャー・フォー・メンタルマネジメント・・・ソフトパークで行っているコーチング研修)の前身であるセミナーを受講したことが上げられます。
そのセミナーを受講し、明確な目標を持つことにより自分の未来を変えることが理解できて正直びっくりしました。それまでは目標すらあまり意識していなかったのですが、具体的かつ明確な目標を設定することで、自分の行動の限界を超えることができるという考え方を知ったのは自分にとって大きな出来事でした。
同じセミナーを、現在のソフトパークの理事長、当時はテレビ局にお勤めだった、今の理事長山本さんも受けておられました。後に、このコーチングの普及を一緒に行うようになり、この山本理事長との出会いがソフトパークにかかわるきっかけとなりました。
コンサルティング会社には5年ほど勤めましたが、さまざまな企業や組織とかの変革のお手伝いができて大変楽しい経験でした。提案した制度を導入することで企業や組織がみるみる変わっていき、成果が出ていく。大変やりがいのある仕事だと感じました。
この改善提案の過程で、単に人事賃金制度等の制度改善だけでなく、人の「こころ」、つまり、組織の活性化も含めたビジョン志向の『意識変革』をすることによって、より効果があがることを実感し、この会社から独立して自分の会社を立てることにしました。
3年前に独立して、さまざまな企業・団体のコンサルティングを行ってきましたが、その中で、このコーチングプログラム(オフィスF21ではセルフイメージ・コーチングと言います)を受けて頂いた介護施設のお客様がいます。その施設においてセルフイメージ・コーチングが果たした役割は、施設長をはじめ核となる職員に彼らが目指す介護の姿を明確にして頂き(目標=ビジョン設定)、それを実現するのは彼ら自身であると自覚してもらい、それを達成していくには自らを制限している考え方を変えること(意識改革)が有効で、明確な目標設定と意識改革により、人間が誰でも持つ目標達成力を発揮できることを伝達することでした。このセルフイメージ・コーチングの研修を受けた介護施設の施設長や核となる職員が変られたことと、セルフイメージ・コーチングの考え方に基づく目標管理制度の導入で介護施設はみるみる変わっていっていくのが見てとれました。
山本理事長の勧めもあって、福祉の増進を目的とするNPOを通じて、この手法を他の介護施設に伝えたいと思い、今はソフトパークの理事として参画させていただています。こうしたセミナーに参加していただき、活用していただいた施設が出てきていることにうれしさを感じています。
すでに介護業界の競争激化が報道されています。今後、経営と介護品質のすぐれた施設が生き残っていくことになるでしょう。私は経営と介護品質の向上を目指す介護施設に寄与できるような組織運営の仕方をキャリアパス対応への人事賃金制度の再構築とセルフイメージ・コーチングの手法を通じて伝えて行きたいと思っています。
介護の現場・・・希望と誇りを持って働ける現場
介護の労働者のアンケート調査によると離職の原因に法人の経営理念、方針と合わなかったから辞めたというのが25%の人が上げている。それは一般の企業ではとても考えられない数だと思います。この世の役に立ちたいと思う人の大変多い職場だと思います。給料が安いといわれていますが、これも見方によると思います。女性が80%を占める職場ですが中小企業という範疇では、女性の賃金では他の職種の中小企業よりよいところもあります。もちろん男性では低いということもありますが、そういったところを改善すればたぶん一生を託するに足る職場になると思います。人間が好きな人には飛び込んでみて、生きがいが見つけられる職場かもしれません。
目標を達成することはすばらしくて大切なこと
企業・組織や個人について、自分の思考の制限(リミッター)を取り外せば、ビジョンとか目標を達成することが苦でなくなる、いや、むしろ喜びとなるということを心理学・脳生理学的な観点を通じてお伝えしていくことが、我々が行っているセルフイメージコーチング・セミナーのコアコンピタンスになります。これを私は人事の世界でやって行こうとしているわけで、この手法は介護施設でもそれ以外のビジネスでも共通して通用する手法です。
働いている人に生きがいや喜びを持ってもらうような組織作りを行ってもらいたい。そういう気持ちでいつもやっています。こうすることにより、企業・組織はもちろん、その企業組織の構成員である個人それぞれにも喜んでいただけると思います。それはセルフイメージ・コーチングの一定の手順と方法を取れば出来ることだと思っているのです。
自分の思考の限界を超える方法はお教えします。是非それを実行することで、みんなで喜びを分かち合いましょう。
インタビュー日時/2010年6月
※所属、役職などはインタビュー当時